90年代初頭から日本のスラッシュ・メタル・シーンのみならず、海外での活動も行うなどワールドワイドでの活動を行っているNARCOTIC GREED / HATE BEYONDのギタリスト『WARZY (ワージー) 』氏による約9年ぶりのセカンド・ソロ・アルバムのリリースを記念して、なかなか我々には体験のできない貴重な話も軽々と飛び出す、彼のそんな魅力あるインタビューを紹介しようと思う (聞き手 ; Mr, Matsuura - FINE TUNES - )
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◯まず最初に製作期間を教えてください。

WARZY ; ドラムの音源が『激怒荒狂 GEKIDO‐ARAKURE』のボーナストラックを録音した時に一緒に録音したので2015年くらいでしょうか・・・西三荘のスタジオで録音しました。最初の4曲はそれより前に上新庄のスタジオで録音したので・・・日付などは本当、全然覚えてないです(笑)
 曲は前のソロ・アルバムが出た時にすでに、次の構想はありました。ちょうど大阪プロレスやKAIENTAI DOJOなどの入場曲や番組のBGMなどの仕事でインストを録り溜めていたので、曲のストックはまだまだありますよ。ただ今回は録音する時間が無かったので(苦笑)

◯アルバムタイトルの『DOPPELGANGER’S DECEIT』に込められた意味を教えてもらえますか?

WARZY ; いつも英語はジャックハマー・ミュージック・アメリカで働いているみんなに教えてもらっています。どうしても日本人の英語と本場の人の英語の意味のとり方やニュアンスが違うので、そのへんを色々アドヴァイスしてもらっています。例えば最初は俺のわがままが詰まったアルバムなので
「ABSOLUTE EGO なんたら~」とアイディアを出してたんですが、向こうでエゴといったらもっと独裁的で、民衆の意見を無視してキチガイに振舞う利己主義者というのかな?日本で使うエゴサーチとかと意味合いが違うんですよ・・・まあ、そんなのは一例ですが、色々アイディアをいただいて最終的にこのタイトルになりました。アルバムを聴いてくれる人が、それぞれ違った解釈ができるタイトルがクールなようで(笑)レーベル・メイトのデニス氏(FUTURE HATEのギタリスト)が最終的に決定しました。意味は自分とそっくりの姿をした分身が、同じ時間に違う場所で出没するっていうのかな、それは嘘だよと・・・そんな事はありえないという意味になるかな?(笑)自分はバンドではスラッシュやってるけど、時を同じくこういうアルバムを出している・・・別人かい?嫌、同じワージーが両方演じているのさ・・・みたいな・・・(笑)

◯ジャケットを担当したジーザス・リスタ氏について教えてください。もともとお知り合いだったのですか?

WARZY ; いや、Facebook で知り合ったアーティストの一人です。前のヘイト・ビヨンドのアルバムを担当してくれた STAN.W.DECKER 氏はメガデスとか色々有名なバンドを手掛けていて忙しいので、他に色々探して一番雰囲気が良さそうな彼に頼みました。実は他にも3~4人、実際にこちらのイメージを伝えて描いてもらったんですよ。ほとんどイメージが違ったのでボツになって、結局大金を失いました。。。(笑)


◯そんな事があったんですね(笑)ジャケットを選定するのも一苦労ですね。
 さて、では収録曲について教えてください。まず一曲目の「 LA DEFENSE」ですが、普段のハードな作風とは違ってとても素直なギターインストです。個人的にとても気に入っているのですが、以前から温めていたアイディアなのでしょうか?

WARZY ; そうですね。プロレスの曲を担当していた時に、作った曲の一つです。レスラーのイメージに合わなかったので,取っておいた。タイトルはフランスの街の名前で、30年くらい前に訪れた時に美しい高層ビル群に心を奪われた・・・そのイメージで書いた曲です。

◯速いフレーズだけでなく、オリエンタルと言うか特徴的なメロディも沢山聴けます。何か影響になったものがありますか?

WARZY ; やはり、海外の方は日本人が奏でる独自のメロディに魅力があるので、イングヴェイのフレーズを弾いてもバカにされるんですよ~(笑)大体やり尽されたギターの手法の中で、人と違うことを見つけて弾くのが俺の宿命だと思っています。人の真似したらお終いだよってね。遅いフレーズでもいいんですよ。病的に耳に残るメロディが、このアルバムにはたくさん詰まっているとおもいますが・・・

◯二曲目「THOUSAND NIGHTS」もゆったりとした純粋なギターインストですね。全編にわたってフランス語のようなものがバックに聞こえますが、これはなんでしょう?

WARZY ; これはアダルトビデオですね!(笑)昔フランスに住んでいた時に、まだインターネットが無い時代、友達が寂しいだろうと思って貸してくれたVCD。でも昔のあっちのビデオって、ストーリーが長い!(笑)事が始まるまで延々と大根な劇を見せられる・・・なぜかその機械は早送りができなかったので延々とこんなセリフだけを聴かなくてはならない・・・そう毎晩毎晩・・・だからこのタイトル!!一応、音声を反転しているので、何を言っているのかわからないようにしました。よくグラインド・バンドのアルバムでそのまま喘ぎ声とか使っているけど、さすがにそれはダサい(笑)それより、出だしのメロディがいいでしょ?あと最後のソロで延々と同じフレーズでフェードアウトするところとかも病的でしょ?(笑)

◯そうですね、後半も印象に残りますが、出だしのフレーズは一度聴いたらなかなか耳から離れません。何か情景であったりイメージしたものがありますか?こんな綺麗な曲のバックがアダルトビデオと言うのもすごいですが(笑)

WARZY ; いや、確かこのビデオでも似たようなスローな音楽が流れていたと思う。こんな美しいメロディでは無いのは確かですが(笑)僕の曲は、きっかけはそうでも、最終的にはワージー・ワールドになるよう変わっていくから。何度も聴き直して、人とやっていることが同じにならないように何度も編曲して、最初とは違う曲になることって事は僕にとっては自然なことです。テーマは一貫しているけどね。

◯上記二曲の様な純ギターインストをまた作りたいと思いますか?個人的にはまた聴きたいと思うのですが。

WARZY ; もちろん、3枚目も作られるくらいストックはあります。あとは一緒に演ってくれるメンバーしだいです。

◯「ISLE OF DOGS 2019」は前作にもあった曲ですが、再録ということでしょうか?

WARZY ; そうですね。ボーカル以外はすべて録音し直しました。ボーカルのダンはもう声が出なくなって引退状態なので、昔の声をそのまま残して。この曲は彼しかできないので。

◯ファーストソロの時から聞いてみたかったのですが、「ISLE OF DOGS 」は特定の誰かの事を歌っていますか?歌詞がとてもユニークで印象的だったので(笑)意外にキャッチーだったりもしますね。すぐに口ずさめるというか。

WARZY ; これはタイトル通り、ペットショップの犬の歌さ!でも我々にも置き換える事ができる。一度きりの人生、頂点でいられないのなら売れ残りのガス室送り、それくらい頑張って良い結果を残せるように悔いの無いよう生きるんだ!ダラダラしていたら地獄落ち。俺の曲でもそうだけど、人と似た曲で勝負しても、平均に行くのは早いけど、落ちるのも早いし、頂点に登らないと今の音楽業界、やっていても意味が無いんだ。今のバンド見てみなよ。似たような音楽やって、仲間内で傷を舐めあって、そのくせ影ではその仲間を蹴落とす、腹黒い世の中だ。"生きてく価値があるのか?そんな世界で!"とダン先生も歌っているだろ?(笑)これは十何年も前に作った歌詞だけど、今も変わってないよね。残念だよ。
 キャッチーについてだけど・・・いい曲書かないとね!(笑)"い~か~してる、この~俺~なら~" なんて歌詞をメタルの曲に乗せるなんて、44マグナムやラウドネス以来じゃない?関西のメタルパワーは凄いよ~って気持ちで頑張ってる!

◯「FUTURE KILL 2019」はNARCOTIC GREED時代の曲「FUTURE KILL」がインストになっていますね。演奏からとても生々しい空気を感じたのですが、これはセッションから生まれたのでしょうか?参加メンバーについても教えてください。

WARZY ; これもプロレス用にアレンジした曲です。イントロだけ欲しいと言われたんで(笑)すごくヘビィーに重~く重~く、遅い曲だけども意外に難しいんだよね。1~4曲目まではドラムはE-DEAD、ベースはBOMBERですよ。

◯前半4曲が本編、ここからがボーナストラックとなっていますが、5曲目はいわずもがなのラウドネスのカバー「DREAM FANTASY」ですね。以前にも「ESPER」をカバーしていましたが、今回のこの選曲は特にお気に入りのナンバーなのですか?

WARZY ; ギターキッズにとって、この曲は誰もが通る道じゃないかな?(笑)オリジナルよりテンポが少し速くて、晃さんも昔はライヴで忠実に弾いていたので、僕も忠実に大きなアレンジもなくやってみました。一ヶ所、ディミニッシュのフレーズがワージー運指だけど(笑)ディミニッシュは僕の十八番なのでそこはブッ飛ばさせてもらいました。あとは忠実にコピーできたと思います。

◯とてもラウドネスへの愛あるカバーだという印象を受けました。ボーカルを務めたJon-Egil "Jram" Ramslie氏はとてものびやかでハスキーな声質が特徴的ですね。彼について教えてください。

WARZY ; 僕が昔に色々海外を放浪していた時に知り合ったノルウェーの方ですよ。本当はギター&ボーカルでグランジっぽいバンドでプレイしてたんですが、ギターより声が良くて、ずっと気にはしていました。彼はいつも僕と何か一緒に演りたいと熱望していたので。。。でもボーカルだけ参加してって
流石に言いにくかった(笑)でも彼は今回快く引き受けてくれて、もの凄く良いトラックを送ってくれました。大変感謝しています!!今後も僕と一緒に何かやる予定なので、彼には注目ですよ~

◯6曲目がBLONDIEの「CALL ME」のカバーですね。こちらはメタリックなアレンジが施されていてとてもカッコイイですが選曲はどなたが?参加ミュージシャンについても教えていただけますか?

WARZY ; 選曲はもちろん僕さ!逆に誰もこんなアイディア、出す人いないでしょう?僕のソロアルバムはメタル以外の方も多く聴いているので、この選曲は自然な流れでした。さっきも言った通り、ドラムのE-DEAD氏が『激怒荒狂 GEKIDO‐ARAKURE』のボーナストラックを録音した時に一緒に録音した。最初はベースもBOMBER君で録音したのですが、アメリカ・チームがボーカル、コーラスと共にベースのデータも送ってきた(笑)アメリカのレーベルメイト"FUTURE HATE"のボーカル"ミランダ"嬢とギターシンセが同じく"FUTURE HATE"のギタリスト"デニス"氏、ベースは謎のおっさん"イアン"氏(笑)意外に早弾きよりも、最後のメロディが好評です(笑)やっぱり普通の人には早弾きよりメロディ重視なんですよ~これが僕の生き残っている理由の一つです(笑)

◯海外であってもデータのやりとりで曲を作成出来る環境というのは、とても刺激的でクリエイティブでいられる印象を受けるんですが、その辺はどうでしょう?良い面も悪い面もありそうですが。

WARZY ; うだつの上がらないメンバーと一緒にやっても精神的にやられるでしょう?特に現在はドラマー不足なので、みんなドラムが下手でも、性格に難があっても、我慢して一緒に演っている。俺は自分の音楽を表現するのが一番の前提なので、短い人生、そんなメンバーに邪魔されるのが無駄な事。でも、演奏がとびっきり上手くなくても、気が合う仲間とは過去にも一緒に演っているよ。だからそこまで拘ってないけどね。一部の人には誤解されてるけど、非常に心外です!!
 今回も演奏が上手い人や有名人にコンタクトを取ってとかいう売名行為な魂胆はなくて、普段から気の合う仲間達に手伝ってもらおう、ですから。データも、受け取って俺がイメージと違うと思えば、何度もやり直してもらってるし、彼らも納得して、最終的にこっちの想像以上に応えてくれました。どこにも"エゴ"なんて無いので、俺のつまらないタイトルを却下してくれたジャックハマー・アメリカ・チームに感謝してるよ(笑)

◯7曲目から13曲目まではスペシャルボーナストラックとなっていますが、全てがファーストソロアルバムに収録されていた曲です。これらは再録なのでしょうか?若干以前とはアレンジの違う曲もあるようですが?

WARZY ; そうですね。ちなみに曲名に2019と付いているものは、すべて録音し直していると思ってください。ファーストは売り切れたので、プレミア値段で買うなら、このアルバムでもっと良い音になったのを聴いて欲しかった。でもさすがにドラムは録音する時間がなかったので、昔の4トラックで録音したドラムをリミックス・・・そこは音が悪くて申し訳ない。キック、スネア、上に左右2本の合計4本のマイクで、当時はよくアルバム出したよなって思います(笑)

◯「ETENAL RECURRENCE 2019」という曲が、マイケル・ジャクソンに捧げた曲という事を以前、プライベートでお聞きしたことがありますが。

WARZY ; 「キング・オブ・ポップ」を失った事実は、俺の音楽経歴からも無視できない出来事だから。イントロというかAメロは「BEAT IT」からインスパイアされた。で途中のギターだけになる部分は、亡くなった知らせを聞いたときの悲しみのメロディーです。その時に僕の脈拍が乱れたという事実がずっと残っていて、この静かな部分もソロはきれいに拍をあわせずに弾いた。頭とかは合っているけどね。脈"拍"と"拍"子との言葉遊びをソロで表現した。締めもディミニッシュで動揺させているしね。誰もこういうテクニック的な部分は、わかってくれないけど(笑) 

◯「NAMELESS HEROES(名モ無キ英雄)」と「MEGASUCKMAN2019」ではVIGILANTEの丹羽さんがVocalを務めていますね。参加された経緯など教えていただけますか?

WARZY ; 最近のミュージシャンは、あまりつながりが無いので、ハイトーンといえば、昔によく対バンしていた丹羽君しか思いつかなかったです(笑)英詩にしていただいたり、阪南まで来ていただいたり・・・本当に感謝しています!!

◯「MEGASUCKMAN」のサビも面白い歌詞ですねぇ(笑)DANさんが英詞で歌っていた時からここは残っていますね。歌詞は身近な体験談から生まれる事が多いんでしょうか?

WARZY ; どうかな?彼も俺と同様、趣味には「変人的」だから(笑)歌詞も誰もが気付かないような所に良く注目しているよね。今までのNARCOTIC GREEDからそうだった。僕もたまに歌詞を書くけど、彼からの影響が大いにありますよ。

◯他に参加された方がいれば教えて貰えますか?

WARZY ; 一応全員名前は出たかな?あ!ファーストで叩いてくれたドラマー、タイのチェード君は長い間連絡が取れない状態なんで・・・残念。

◯とてもバラエティにとんだアルバムだと思うのですが、作曲などは普段どの様にしていますか?印象的なメロディは次々と浮かんでくるものなのでしょうか?急に降りてきたりしますか?

WARZY ; ある程度、頭の中にありますね。で作曲というかデモを製作する時にそれを録音して、何度も聞いて、誰々に似てないかパクってないかチェックして(笑)でゴーサインですね。ほとんど最終的なデモの段階で、アレンジとか曲構成とか決めてから、メンバーに渡しています。細かいフレーズはドラマーやベーシストに任せています。僕が作った枠内で、僕が想像していたアレンジより素晴らしい演奏をしてくれるメンバーが理想ですね。今、流行の言葉でいう「想定外」ってやつ(笑)Jram氏のボーカルは本当に驚かされましたよ!

◯ソロアルバムと現在活動しているHATE BEYONDでは作曲方法は違いますか?ソロでは全く違う事をしようとあえて考えたりしますか?

WARZY ; 気分が違うかな?ヘイトはジャンルが違うので、よりバイオレンスな気分で作曲しますよ。最近はドラムパターンから作る方が多いです。ソロの方はジャンルが無いので色々試せますね。現在はヘイト・ビヨンドの新作に取り組んでいるので、常にバイオレンスですよ!(笑)

◯次のソロアルバムはいつ聴けそうですか?(笑)

WARZY ; 新譜が出たばっかりなのに気が早い!(笑)ヘイト・ビヨンドの新作の後、3枚ほどアルバム製作の予定があります。地獄の令和の始まりです・・・(汗)ツアーの話もあるので、なんとかそれまでに全部仕上げたいですねぇ。。。ソロはその後かな?ソロの方が反響が良いので、バンドの方にも興味持ってくれるとありがたいですね。

◯今の質問にも近いのですが、今後の活動予定など教えてください。

WARZY ; 自宅にスタジオ作ったので、音楽制作活動は止まる事無いですよ!ジャックハマー・ミュージックもアメリカやヨーロッパでサポートしてくれている方がたくさんいるので、心強いです!ツアーも向こうのエージェンシーが全部出資してくれるので、俺は彼らに恩返しができるように、精一杯プレイするだけ。やっぱりお金にならないと音楽作る気も失せますから(笑)

◯最後に何かメッセージを!

WARZY ; とりあえず「俺の邪魔をする奴は許さない!」あとやる気のあるドラマーやベーシスト、ボーカリストなど遠慮なくコンタクトください!一緒に世界を獲りましょう!しがらみとか気にするのがバカらしいくらい、面白い音楽の世界が待ってるよ。俺が手本を見せてやる!

◯ありがとうございました!
warzy2nd
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